T's通信 3月号

今年も桜は花を散らせて来年の春に備えて新緑へと変身し、ポカポカ陽気が夏の訪れを予感させる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?


しかしわれわれ関西のダイバーのホームゲレンデ、南紀や四国では、ただ今大変なことが起こっているのです。 それは南紀や四国のサンゴがただ今大ピンチなんです。

皆さんもご存知だと思うのですが、紀南地方の海域はエンタクミドリイシやクシハダミドリイシなどのサンゴ群集が数多くあり、串本町沖は大規模な群集があることで知られています。

その後、田辺湾などにも群集が点在しているので、環境省は平成27年9月、和歌山県内では新宮〜串本までだった吉野熊野国立公園を南部町まで大規模に拡張しました。
これによってサンゴ礁の生態系が形成されたものとしては『世界北限域』として認められることになりました。

その『世界最北限のサンゴ』を環境省が調査したところ、全6地点で死滅につながる白化現象が確認され、5地点では85〜95%が実際に死滅していたことがわかりました。

なぜこんな事が起こったのか? これは昨秋、12年ぶりに発生した「黒潮大蛇行」と今冬の寒波が重なり、海水温が例年に比べて大幅に低下したことが原因とみられるそうです。

田辺湾に設置されている京都大学防災研究所白浜海象観測所の観測塔(水深5メートル)が測定した水温データによると、昨年12月の平均水温は17・5度と前年同月より2・6度低く、今年1月は3・5度も低い14・3度と例年より水温がかなり低かったそうです(どおりで寒かった〜!)


サンゴ礁は美しいと言うだけで守る価値があるのですが、美しさはサンゴ礁の価値の一部分に過ぎません。
サンゴ礁は沿岸の土地を海の侵食から守りことで計り知れない恩恵をもたらしています。
また健康なサンゴ礁は海洋で最も生産性の高い場所にあたり、世界中のサンゴ礁で捕られる魚は、人間の食用に供される量の約十分の一にのぼると試算されています。
さらにサンゴ礁は地球最古の生態系で約5億年の歴史を持っており、非常に複雑な生態系の中に生命体が密集する場所なのです。そこからは独特の薬品が大量に生まれる可能性があると期待されています。ところがこのサンゴ礁は今回の水温の変化などで簡単に壊れてしまいます。まるでガラスのお城のようですね。


環境省田辺自然保護官事務所は「今回は低水温がサンゴの群集を白化させた。今冬の寒波だけでなく暖かい海流の黒潮が紀伊半島から離れる『黒潮大蛇行』が影響している」と分析。今後は水温が安定する11月にもう一度定点調査し、サンゴ群集の再構築の様子を見守ることにしているそうですが、われわれもぜひ参加したいですし、これからのファンダイブツアーでもあの見事なサンゴ礁の復活を信じて、そしてどう「再構築」されていくのか?見守って行きたいと思います。

  
 冷水温の影響で白化したサンゴ。      去年までの南紀の見事なサンゴ礁。
 一日も早く戻って欲しいものですね!!(^−^)